(雑誌「選択6月号・をんな千一夜第15話・石井妙子」より)
・・・。明治44年には・・・勝ち抜き戦で5人抜きをするという快挙をなした。文子が負かした相手は、本因坊秀哉8段、野沢竹朝4段、瀬越健作3段、中川亀三郎3段ら一流棋士ばかり。ここまで女流棋士が男性のトップを打ち負かした例は今に至るまでないと言っていいだろう。
明治から大正にかけて、男性棋士たちは仲間割ればかりして、結社を作っては離合集散を繰り返していた。財界・政界の愛棋家たちは、半ば呆れ、男性棋士ではなく文子に白羽の矢を立て、自分たちが金を出すので、棋士を束ね、棋界をひとつにまとめて欲しいと依頼する。(次に続く)
2018
02Jun